手術後の夢分析と箱庭が教えてくれた〜体の一部を奪われる静かな怒り

術後の夢が教えてくれた「無意識の恐怖」

私は2年前に婦人科の手術を受けました。10年ぐらい経過観察だったのですが、引っ越しのため転院となり、紹介された病院は手術の名手の先生がいる病院でした。初診時に早速3ヶ月後に手術をすることが決定しその日程も決定しました。今やらないと後悔すると思ったのでこの予定に合わせる日々が始まりました。検査や注射、自己採血など気分が重くなることだらけでした。

内視鏡下の手術でしたが、術後の夜に見た夢は、それはそれは恐ろしいものでした。それまで3年夢分析を受けていたのですが、その時には見なかった恐怖の夢・・・・全身麻酔で意識を失う体験は、無意識レベルでは「死」の体験です。

術後の夜に見た夢があまりの悪夢だったので、分析家の先生とも話し合いました。今日はその体験をお伝えしたいと思います。

一部ご紹介します。

術後すぐの悪夢

たくさんの人と外国フランス観光ににきてる。みんなとスキー場みたいなころに行ったら外人が回転するヨーヨー歯で木を切ってしまう。怖い。なんとなく箱庭の中のスキー場って感じもする。

なぜか私はその怖い場所にスマホと上着を場所とり?みたいな感じで、そこにおいてきてしまう。突然の大雨。真っ白。そして元の宿泊場に帰る。戻ってきたは良いがスマホないと旅が続けられない。スキー場にもどってスマホと上着をとってこなくては。宿のお兄さんにきいて「人間のむら」行きのバスに乗れという。でもどのバスかわからない。焦って1人で行こうとしているが、よく考えてたみたらここは外国だし、スマホなければ調べられない。とりあえず誰かについてきつもらおうと、一緒に帰ってきた人たちを探すが、宿泊場もわからなくなる。螺旋階段上がる・・・・続く

この夢をユング心理学的に読み解くと

分析家の先生と話し合いながら、少しずつ夢の意味が見えてきました。

スキー場=凍りついた大地 寒々しい場所
スキー場は寒い雪、凍りついた寒々しい場所。そこで知らない外人が成長の木々をチェーンソーで切ってしまう・・

木々は自分の体の一部の象徴と考えると、これはまさに手術の恐怖そのものです。内視鏡下とはいえ、電気メスが体の中に入る——頭ではわかっていても、無意識はこれほどの恐怖を感じていたのです。

真っ白=パニック・意識の消失
「怖い」という感情と「箱庭の中みたい」という感覚が混在しているのも興味深いです。現実感が薄れている、夢と現実の境界が曖昧になっている状態を示しているようです。真っ白=頭まっしろでパニックって感じですね・・。

スマホを取りに戻らなくてはいけない=外の世界に戻ること
スマホは「外界とつながるためのツール」です。それを取りに「人間のむら」行きのバスに乗らなくてはいけない、これは、全身麻酔で一度「死」に近い状態を体験した私が、もう一度、世俗の世界=人間の世界に戻らなくてはいけないという無意識のプロセスを表していたのではないかと思います

でも、どこに帰ればいいかわからない。どのバスに乗ればいいかわからない。混乱して螺旋階段を上がる。これは、「生と死の間」で迷子になっていた自分の姿だったのかもしれません。

夢の絵を書いて先生と話し合ったとき、先生は夢の右下に描いた人物群を見て「この下の人たちは病院のスタッフではないですか?」と言いました。先生はこういう術後の方の夢分析も多くされているのでいろいろな病院があることを夢から感じ取られていたようです。

言われてみれば確かに……手術室のスタッフ、看護師さん、医師・・ケアしてくれた人たちが、無意識の中にもちゃんと存在していたのです。それを聞いて、なぜか心がじんわりと温かくなりました。

ほんとの無意識の叫び

さて全身麻酔から目覚めた瞬間の感覚は・・・・術室の看護師さんが見えたのと、強烈に湧いてくる思いを感じました。

「取られた!」

という怒りでした。これはもう若い肉体に戻れないという諦めも入っており、複雑な気持ちがあったように覚えています。更年期は老いた体や生きる時間が無限にあるのではなく制限があるということを受け入れる「諦め」の年代なのだなと実感しました。

この一瞬の目覚めの後すぐまた意識を失ってしまい、その晩に先ほどの夢を見たのです。

更年期に差し掛かった老いた時期でも、子宮に関わる手術を受けるということは、人間の体や無意識にとっては「体の一部を奪われる」という残酷で強烈な感覚を刻むと強く思いました。だから木々が切り取られるというシーンを改めて夢が「教えてくれた」のだと思います。

回復のためにやったこと〜箱庭づくり

手術という身体的体験が、無意識にこれほどの恐怖と混乱をもたらしていたと知ったとき、私は「時間をかけてしっかりケアしてあげないといけないな」と思いました。頭だけで「大丈夫」と言い聞かせるのではなく、無意識の恐怖をしっかり受け取り、向き合うこと。

退院後1週間ぐらいはまだモヤモヤ落ちつかなかったので、箱庭をつくってみました。

まだ体調が回復せずフラフラな中、箱庭に向き合いましたが、フィギュアをおこうにも「置けない」状態が数十分続いたと思います。

まずは夢の中で山の木々が鋭いチェーンソーで切られ薙ぎ倒されていたシーンをなんとか作ろうと思いました。木々が薙ぎ倒されているのが左下。左上は神様的なものを置きたかったのですがぴったりのフィギュアがなくて卵を置きました。そして右側は通常の私(元気でありたい)の場所。火が焚かれエネルギーアップさせようとしている。死の世界左と現実右をつなぐのは赤い橋。そこにマリア様がいて心配そうに傷跡をみています。

この時1番最後に切り株を置きました。この切り株を置いた時にようやく「今日の箱庭のテーマ」が終わったと感じました。「とられた!」という気持ち・・・奪われたことを見届ける・・が今日の無意識からのメッセージだったと思いました。普通だとこういう傷は心のどこか遠くへ追いやって、日常に戻ると思うのですが、こういうことが、トラウマの種子なのだなということも感じます。

この箱庭も分析家と話し合いましたが、左上の卵があることの希望・癒しのマリア様があることで回復の道筋もあるという話をしました。箱庭は心の中のモヤモヤが可視化されることで、そのモヤモヤが落ち着く効果があると感じました。

追記:そしてこの術後1年ぐらいはメンタルは安定していたのですが、1年過ぎる頃から、なんとなく周りの人間関係で「影」になっていたことが現れてきて・・・いつも自分の無意識を観察する癖ができていたので、いろいろ考えたのですが手術の傷は時間が経ってから、よりはっきりして気持ちを揺さぶるのではないかと思うようになりました。

それぐらい心身の回復は「時間がかかる」ということです

その後の出来事や考えたこと:関連記事はこちら→婦人科手術後、メンタルが落ちた気がする人へ〜誰も教えてくれなかった喪失のグリーフと回復の道筋

人生の喪失時に、無意識のメッセージに耳を傾けたくなったら

あなたも今何かを喪失し、悲しみや寂しさの気持ちが大きくあるなら、夢解きや箱庭セラピーは心の自己治癒能力を回復させてくれ、心を楽にしてくれる働きがあります。

夢にでてくるものや箱庭のフィギュアは日常のストレスや不安、過去の記憶、魂の深い問いを象徴的に語ってくれます。一緒にあなたの無意識を紐解き、明日を生きるエネルギーに変えていきませんか?

夢解きセラピー・箱庭表現セラピーを藤沢とオンラインで承っています。


私の夢分析過程は分析家の先生がこの本でまとめられています。

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