カイロン(キロン)の意味〜発見ホロスコープから考える 傷ついたヒーラーと心理学者ユングの接点

2026年〜2027年カイロン(キロン)が牡牛座へ移動する意味

この記事を書いている2026年6月、カイロンは牡羊座から牡牛座へ移動しました。(2026年6月20日に入りましたが逆行もあるため本格的には2027年から牡牛座に滞在します)前回カイロンが牡牛座にいたのは約50年前のこと。

カイロンが発見された瞬間のカイロンの位置に、空のカイロンがまた戻ってくる「カイロン・リターン」。を迎えつつあります。つまり今、カイロンは「自分が発見された時に刻まれた傷のサイン」へ、50年ぶりに戻ろうとしているのです。

牡牛座は身体・感覚・価値・お金を持つことの安心を司ります。これから約8年間、社会全体で「自分の身体と価値観への傷」と向き合う時代が来そうです。また牡牛座のルーラーは金星です。女性性・美しさ・官能性・豊かさについての今まで見て見ぬふりをしてきた「傷」をに気づき癒す必要が大きくでてくるのではないかと思います。

カイロンは1977年11月1日に発見されました。この発見時のホロスコープから「カイロン」という存在がどんなエネルギーを持っているのかがわかります。

カイロンの発見のホロスコープ

1977年にカイロンが発見されたとき、この日から「傷と癒し」の自己治癒力エネルギーが集合無意識の中で認識されたという意味でもあります。

カイロンはどんな癒し力を持っているのか?をテーマにチャートから考えてみましょう。

アセンダントは射手座 

時間はastododatabankに掲載されていた時間を使っています。

アセンダントは射手座です。まさに教師としてのカイロンらしいアセンダントですね。また射手座は足が馬で上半身は人間のケンタウルス族。カイロンは彼らとは違い父親がサターンですが、見た目はとても似ています。

支配星木星は7ハウスにあり対外的に、鷹揚さや楽天性をもたらす存在であると言えるでしょう。蟹座の月、まさに養育者としての顔です。月も木星も蟹座のルーラーとエグザルテーションなのでとても強いですね。癒しというのは「つながりの回復」によって行われると思うのですが、蟹座の本当の良い母性との繋がりをカイロンは強くもっているようですね。

仕事の看板はMC天秤座

MCには天秤座。ドラゴンヘッドがくっついているためカイロンの活動は多くの人に持てはやされます。さらには冥王星も近くにあるため強迫的です。冥王星はハデス=死の神様です。最終的に不死であったカイロンは死を選びます。死によって逆に永遠の「アイコン」になった。

天秤座ですからパートナーシップや愛に関する死と再生に強く関わることになるでしょう。天秤座の死は「関係性の中で愛し愛されない」で生まれると思います。このテーマ、人間として成長する時にとても重要な要素、心を注ぎ合う関係性です。それがないと人は精神的に死んでしまいます。

MCの天秤座はカイロンの社会活動は多くの人に注目を浴びて多くの人と関わるということです。冥王星のある天秤座16度(数え)はサビアンシンボルだと「流されてしまった船着場」です。傷ついた船が安心できる陸地に接岸できないシンボルです。

MCは蟹座の月は90度となっています。月は安心感です。家族みたいな仲間の中の中で安心を感じる。木星も近いので良き養育者に育てられ成長できた恵みがあります。ドラゴンヘッドとテイル軸に蟹座の月がTスクエアになっています。冥王星も関わりますからやはり母親との関係の重要さが示されていると思います。(カイロンは母親に捨てられてしまった過去がある)

ICのエリス 一族の深い争い

またICにはエリスがありますね。エリスについてはこちらに書きました。

エリスは不和の女神です。カイロン出生図のICは一族の争いの意味が強いです。エリスは自分が結婚式に呼ばれなかった腹いせに呪いのリンゴを投げて結局は戦争を起こしてしまった女神。周囲に受け入れられない怒りや恨みがICにあります。

IC支配星の火星は一族の秘密の8ハウスに飛んでます。火星はカイロンとオーブ狭めのスクエアです。火星の攻撃(ヘラクレスの矢)で傷つくイメージを感じます。

他に火星は天王星とゆるめスクエア。突発的なハプニング。また海王星とは135度、冥王星・ドラゴンヘッドとは72度です。攻撃性がカイロンの「影」ではなかったかと感じます。

太陽は蠍座 

太陽は蠍座であります。蠍座はいろいろな感情を受け止め変容させる力があります。関わった信頼できる相手にはとことん関係性を深めていけます。相手と苦しいことも悲しいことも深く体験していこうとします。その途中で深い闇も体験するでしょう。死と再生がテーマです。

深い闇には簡単に切り分けられない人間の様々な情念が眠っています。その情念を深く味わい濃厚な1瞬を対人関係でおいかけていきます。

またこの図では父親を表す土星(=クロノス)はアスペクト少ないですが天王星と72度です。カイロンは土星と天王星の間を回る星。土星は見える固定された世界、天王星は電気や化学物質など見えないけれど影響ある力の世界です。見える世界や常識を壊すのが天王星なのです。この間の橋渡しをするのがカイロンですが、72度は創造の度数なので、その意識の橋渡しを工夫をしてやっていこうとします。これは強力ですね。

また牡牛座にカイロン(傷)です。これは動物の足で生まれてしまった「持ってる体に対する傷」とも考えられます。カイロンは「地」に惑星がないのですが、一個だけ土の元素牡牛座に「カイロン」があるのです。これも生まれ持った身体を否定された「肉体の傷」が強調されているように感じます。

カイロンとユング〜「傷と癒し」をめぐる星の縁

カイロンの発見チャートでカイロンが位置するのは牡牛座です。そしてチャートを眺めていてはっとしたことがあります。カール・グスタフ・ユングの出生チャートの海王星が、ほぼ同じ牡牛座の度数にあるのです。そしてカイロンは今、50年ぶりにその場所に戻ってくる。

海王星は、夢・無意識・集合的なつながり目に見えないけれど確かに存在する、意識の深層を司ります。そしてユングが生涯をかけて探求したのは、その領域でした。その海王星が牡牛座に位置するということは、何を意味するのでしょうか。

牡牛座は「地」のサインです。身体・感覚・土・物質を表します。目に見えて、触れることができて、ここに確かに存在する、という安心の世界。境界が曖昧になり大いなるもの人混ざりあう海王星エネルギーが、牡牛座という確かな地面を通して現れる時、それは過去の遠い時代から大地と体に根ざしてきた無意識という意味になってくるでしょう。

ユングの集合的無意識の概念には、この感覚がよく似ています。集合的無意識とは、個人の経験をはるかに超えた場所、時代も民族も越えて、人類が共有する心の大地です。それは抽象的な概念ではなく、夢の中のイメージとして、神話の象徴として、身体の反応として、とても具体的な形で私たちに届いてきます。牡牛座の「地に足のついた感覚」で、海王星の「深い無意識」を受け取る。ユングの仕事はそういうものだったのかもしれません。

さらに、ユングのチャートには太陽と海王星がほぼ完全なスクエアを形成しています。スクエアは緊張と葛藤を示す角度。無意識の深みを明るい太陽の認識する光を当てていくイメージです。生涯を通じて無意識と切実に向き合い続けた配置があります。

また太陽の明るい王様のような輝かしい光を、海王星が曖昧にし、はっきりさせなくなるという意味もあります。ユングはフロイトと決別した時に精神的な危機に陥りました。父親のように慕っていたフロイトと決定的な「学説の違い」が生まれたのです。

フロイトは無意識を抑圧された個人的な経験や性的な欲求として考えました。その一方で、ユングはその個人的無意識のさらに奥底に、人類共通の生まれながらに備わっているイメージの源泉の集合的無意識があると考えたのです。

決裂後の辛い時期に夢やビジョンを書き留め内的な存在と語り合いひたすら内的なイメージと向き合い続けました。これらはアクティブイマジネーションの元となった体験だったようです。そのユングの暗く崇高な体験の記録は「赤の書」として後年出版されています。関連記事→物語の中で感じた本物の恐怖|ユング心理学アクティブ・イマジネーション体験談

彼は理論家ですが、自分の辛い傷つきの体験から自分自身の無意識の深みに降りていき、自分で体験をしていることから、他人への治療への基盤となっています。カイロンも自分の傷ついた経験から「傷つく癒し人」になりました。

カイロンの発見チャートのカイロンにユングの海王星が重なっている。それを偶然と呼ぶこともできますが、私には必然のように感じられます。ユングは脈々と受け継がれた心の土台が個人個人の狭いものではなく共有の財産だったということを、感じ取ったのでしょう。そして夢分析(海王星)によって心の治療(カイロン)を行っていたという意味になります。夢などの無意識な力で集合的な「傷」を癒そうとしていたのだと思います。参考記事 →カイロンが示す魂の傷と癒し〜夢解きでわかる傷つく癒し人の元型

2026年の牡牛座に入るカイロンの意味

50年前の発見当時は獅子座火星とスクエアでしたが、2026年は水瓶座の冥王星からスクエアになります。スクエアは緊張関係からの成長です。水瓶座は牡牛座と全く違う価値を持っています。牡牛座は与えられた身体性の知・・感じる、触れる、味わう、という感覚の世界。一方、水瓶座はテクノロジーを意味し、すべてをデータ化・数値化する世界です。

野球の世界でも、ピッチャーの球の回転数など、かつては職人技と呼ばれたものがすべてデータで語られるようになりました。IT起業家のブライアン・ジョンソンは自分の身体を丸ごと数値化・管理し、不老不死を目指しています。「測れるものがすべて」という時代の圧力は、私たちの日常にも浸透してきています。

カイロンが牡牛座に戻ってくるこの時代、浮かび上がってくる傷は自分の身体感覚を信じられない、数値にならない自分の価値がわからない・・・というテーマかもしれません。感じる、休む、ただここにいる・・・そういう「測れないもの」を取り戻すことが、これからの8年間のカイロンの問いかけになるのでしょう。


夢解きセラピー・箱庭表現セラピーを承っています

カイロンが牡牛座に入った今、体や心の内側を見ていくことは、本当の安心と癒しを与えてくれます。箱庭表現セラピーは、「箱庭」を「心の庭」としてみていくセラピーです。牡牛座に入ったカイロンが活性化した今、内側に目を向けて心を癒し活性化してみませんか?

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