夢分析って気になるけど、実際どうなんだろう…と思っている方へ、私の3年間の体験を書きました。
1. なぜ夢分析を受けようと思ったか
2020年、私は宙ぶらりんな感覚の中にいました。コロナが世界を止め、外に出ることも人に会うこともままならない毎日。都会で1人、閉塞感の中で、ずっと後回しにしてきた問いが静かに浮かび上がってきていました。
「そろそろ実家に帰るべきなのかもしれない。」
親は年をとってきた。でも、帰ることへのはっきりしない抵抗感も消えなかった。「なんとなく嫌だ」という感覚だけが胸の奥にあるのに、その正体がどうしてもわからなかったのです。
占星術を17年学び、仕事にしてきた私にとっても、これは星を読むだけでは答えが出ない問いでした。ホロスコープは「どんなテーマを持っているか」は教えてくれる。でもそれは頭脳的な回答であって、「迷いない心の力」にするにはそれだけでは足りないのです。
コロナの非日常な時期、私は一つの夢を見たのです。
今までになかった夢だった
私が死ぬ夢でした。
「私はもう、向こうの世界に行かなくてはならない。死ということらしい。整理整頓している。もう薬を飲む直前。行き先のチケットを持っている。行くことは別に嫌ではない。でも父に言わなければならないことがイヤだ。寂しがるだろう。甥っ子に会えなくなるのも悲しい。」
占星術と夢の関連には興味があり、3年間夢日記をつけてきたけれど、こんな夢は初めてでした。驚いたのはその内容よりも、夢の中の「私」が死ぬことをそれほど怖がっていなかったこと。むしろ静かに受け入れていたこと。
もう一つ印象的な夢も続きました。「しめ縄がピストルで撃たれ、粉々になる」夢です。でもこれはそこまで意味を深く考えていませんでした。今思えば強烈な「攻撃性」が私の心の奥にありそれが最初に飛び出していたのだと思いますが・・・
死の夢が強烈だったので、これは受けるタイミングだと思い、以前からSNSで存在を知っていたユング派の分析家・今井晥弌先生の夢分析を受けることを決めました。高校時代に河合隼雄先生の「無意識の構造」を読んでから、夢分析はずっと受けてみたいと思ってもいたのです。ですから30年ぐらいの時間を経て、やっと願いが叶った瞬間でもありました。
太陽冥王星の意味を変えていく〜受けていく中で、静かにじっくり変わり始めた
はじまってからは、月2回夢を出して、話し合っていくことが続きました。夢分析は、夢を「解読する作業だ」と思っていたけれど夢の意味の答えは、分析家との対話の中で見つけていくもので、夢の中に出てきた象徴をじっくり一緒に味わっていく時間でした。
初回夢から「存在感のない父親関係」がテーマだということを話されていました。でもいきなりこいういことが夢分析のテーマになるのか!とびっくり。(当時はまだ何もわかっていなかった)
しかしこれは出生図ではよく出ているので納得していました。私は太陽冥王星スクエアの配置です。父親は婿入り養子なのでイメージができる。
でもこの太陽冥王星のスクエアのエネルギーを「どうしたらよいのか」がずっとよくわからなかった。父の挫折と読むとか、太陽意思が折れやすいとか・・・占星術の教科書の言葉ではそうだけど・・・・冥王星がよくわからなすぎてこの意味を体感するのが難しかったのです。
夢占いと夢分析の、決定的な違い
夢占いはとても面白いものだと思います。「蛇が出る夢は金運アップ」「空を飛ぶ夢は自由の象徴」…シンボルの意味を知ることで、何かヒントをもらえる感覚がある。
でも夢分析は、そこから先に進みます。
夢占いが「シンボルの意味を言葉で理解する」ものだとしたら、夢分析は「その象徴を通じて、今この瞬間に動いている感情を体感し、過去(家系)・現実の人生と結びつける」ものです。
頭でわかることと、心の底から感じることは、全く別のことです。
私は長年、今の家に生まれ落ちた意味を「知識として」理解しようとしていました。でも夢分析で様々な感情を体感として気づいたとき初めて、それが変わり始めた。これが夢分析の、他のどんな方法とも違うところだと思っています。
冥王星の意味と私の父親像はどう変容したか
太陽と冥王星のスクエア。これは父親像の挫折とも占星術では読むことが多いでしょう。でも自分の無意識レベルでは何が働いているのか??
夢分析を3年続けてその答えがはっきりしました。それは女性が我慢し不幸せになってしまう田舎が大嫌いだったということ。私は飲み込む力である冥王星からずっと逃げていたのだということを。冥王星は「恐怖」です。この恐怖はアクティブイマジネーションで体験しました→物語の中で感じた本物の恐怖|ユング心理学アクティブ・イマジネーション体験談
私の夢分析の最初の夢は「自分が死ぬ。でも父にそれを言うのがいやだ」という夢でした。自分が変わってしまうことが嫌だったのですね。自分が変わったら父に愛されなくなってしまうから。
その父とは現実の父というよりも「私の中の父性イメージ」です。私の中の古い父性は一回死んでもらわねばなりません。1年後、出てきた夢はこれでした。
・頭の部分が欠けている若い父親
頭欠けてる→脳の中身が変わるということで無意識レベルでは「私の父親像」は書き変わっていたようです。
夢分析終了後の2ヶ月後父の病気が発覚し、地元に帰りました。私が引っ越した年は、親戚も亡くなったりしてバタバタと人間関係が変わった時でもありました。
父は親戚からもともと大得意な農作業を任されるようになり、今は野菜や果物をつくっています。体力もあるようで元気にやっています。
それまでは、あんなに家のはじっこでみんなに無視されてた(そのように見えた)のに、今は「すごいね」と言われるような存在になっています。さらに「父はこんな細かいことも得意だったのか」という再発見もありで、私の中の「父性像」も大きく変化しています。
そのおかげか、私の心の中の無意識の「古い父の考え」を感じることができ、これと私はもう別なのだから、この考えには従わないようにしようと自分で掴むことができました。夢分析は無意識に結合している(憑依されている)エネルギーを分離し、新たなエネルギーと結合する・・そんなことを繰り返し繰り返しやっていくのだなと思います。
夢は、私たちが目覚めている世界と同じくらい、確かなリアリティを持って存在しています。夢分析は自分個人の無意識だけでない、家族・家系の集合体の様々な情動を整理させてくれた体験でした。
自分の生まれ落ちた「運命」の意味をずっと考え続けてきた私にとっては、やっと納得する結論を見つけられたと思います。夢というぼんやりしたものを突き詰めると自分自身が「明快で輪郭がはっきりする私」になっていくのです。
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私は現在、3年間の教育夢分析の体験・スーパービジョンなどの研鑽と、17年の占星術カウンセラーとしての経験を合わせた「心理占星術セッション」「夢解きセラピー」と「箱庭表現セラピー」で一般の方への個人セッションを行っています。
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