ユング派の夢分析 夢の種類 勉強ノート3

毎日見る夢には数種類あるそうです。ユング派で分類されているものをまとめてみます。

補償夢
展望夢
初回夢の重要性
逆補償の夢
無意識の力が大きい夢　
予知夢
警告夢
ユング派では扱わないけど・・・明晰夢
夢の種類まとめ
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補償夢

（1）単純な補償・・・意識の態度を補償したり、あるいは意識的な体験のたらないところ、未完のところを補うような夢で比較的わかりやすい。
ユング心理学入門　河合隼雄　培風館　p153

例えば現実に自分に自信がない時に、夢でちやほやされたりしているとか、高い評価を得ているなどが補償夢です。

展望夢

（2）展望的な夢。夢が単純な補償の域を超え遠い将来の一つのプランニングのような意味を持って現れるもので、通俗的にいわれるビジョンという言葉がこれに当てはまるだろう。
ユング心理学入門　河合隼雄　培風館　p154

展望の夢は新しいアイデアを与えてくれるような内容のようです。私はあまりみないのですがクライアントさんによってはこれから仕事でやることを明快に見せてくれる夢をみてる方もいらっしゃいます。すごいなーって思います。そこで現実で努力するから身を結びます。

夢のお告げで有名な話は私は平田篤胤の話を思い出しちゃうのですよね・・・

宣長の本を読んで国学に目覚め、夢のなかで宣長より入門を許可されたとしており、「宣長没後の門人」を自称した^[2][7]。これは時代の流行語となった。
https://ja.wikipedia.org/wiki/平田篤胤

平田篤胤は夢の中で本居宣長に出会い、国学を本格的に始めたそうです。ちょっとここまでくるとすごいですねーー

しかし河合先生は夢でみたから未来がこれで決定！と決めつけるのは良くないこととしています。そりゃそうですよね。そして夢のお告げのみ信じ「夢の信者」になってしまうことは最も危険としています。内のファンタジーのみ追っかけても現実に作用しないのではないかと思います。

展望夢では特に夢分析を受ける時の初回夢というのが大事な夢のようです。

初回夢の重要性

とくに、治療の最初に示される夢は初回夢と呼ばれ、治療の全過程を前もって予見しているのかと思われるほどの展望的な意味を持っていることもあり、非常に重要視される。
ユング心理学入門　河合隼雄　培風館　p156

私は夢告堂研究所主宰のユング派分析家　今井晥弌先生に夢分析を受けていますが、初回夢、やっぱりとても大事な夢でした。

初回夢や振り返りの重要性についてはこちらの夢告堂youtubeチャンネルで今井先生にお話し伺っています。

逆補償の夢

現実に起こってほしくないことが起きる夢です。

意識の態度があまりに良すぎたり、高くなりすぎたりしているとき、それを下げようとするような機能を夢が示すわけである。
ユング心理学入門　河合隼雄　培風館　p156

例えば現実で素晴らしいと関係だと思っている相手が、夢ではどうしょうもない人として出てくるなど。相手に対して理想が高い時とか見るようです。

夢はすべて願望実現が現れているとして考えると「それはあなたの隠れた願望です＝どうしようもないことをあなたは望んでいます」となりますが、そうやって一刀両断にするのではなく、なぜこんなメッセージが夢に現れたのか？を考えなさいと河合先生は書かれています。

願望がありそれを充足させたいが、現実でなかなか到達しない場合、夢で補償されるという感じなのかな・・・・・「願望充足」と「補償」の関係性は大事そうですね。

無意識の力が大きい夢　

現実と関係していなそうな、深い層の夢です。自分の現実の願望がどう見ても出てこないような夢。元型的な夢。なんでこんなの出てるの？みたいな夢ですかね。

精神病のひとや、未開人のいわゆる大きな夢などに認められ、普通人でも特に意識の力が弱くなった時（病気、疲労）などにも認められる。
ユング心理学入門　河合隼雄　培風館　p159

予知夢

これはよく親族が亡くなる時とかありませんかね？私はもう12年前になるのですが祖母が亡くなる時に夢みました。

その頃もう祖母はあの世に行きそうで、もう最後になるだろうからお見舞いに来いと言われていた日の朝方です。春の嵐で強風が吹いていたのを覚えています。

朝方、夢でふと気づくと左隣に女性が飛んできていて寝ている感じがしました。私が子供の頃、左側に母が寝ていたので一瞬母かと思ったのですが、ちょっと古いっていうか・・・着物着てる若い女性だったんですよね。誰だろうなぁ・・・っ思って目覚めたのですが、あああれは祖母が若返ってお別れにきたんだ！！！やばいもう今日かもしれないと思って慌てて病院にいって祖母に会ってきました。肺炎を起こしていてチューブに繋がれていましたが、とても苦しそうでした。しかし最後の私への言葉が「お前コレはあるのか？」といいながら細くなった親指と薬指で輪っかを作りました。コレとはお金のことです。ちょうど2010年、私が独立する2ヶ月前のことでした・・・・。翌朝祖母は息を引き取りました。予知夢というか挨拶に飛んできてくれたのでしょうね。

夢分析をうけはじめても、何回か予知夢らしいものはありました。夢で以前の仕事での知り合いがでてくるなあと思ったら、実際半年後ぐらいに会うことになったり。また少し先の夢の内容を予知することもあります。

警告夢

逆補償の夢は、良き展望のための夢ですが、悪しき展望だと警告夢になるようです。このままいったら危ないよというメッセージが夢に現れるのですね。

ユングの見た例では山で遭難死した同僚の夢が挙げられていました。危ない夢をみたからユングはその人に気をつけてと言っていたそうなんですが亡くなったそうです。他人の死も夢は教えてくれる時があるのですね。

この本には死を前にした人の夢、突然亡くなった人の夢などが取り上げられています。それらの夢を見ていると厳粛な気持ちになります。無意識が大事なことを伝えようとしている・・。

ユング派の無意識の世界を考えていくことは、自我が溶けてなくなる無意識＝いわばそこは「死の世界」でもあります。現実の「生」を補償する「死」を見つめる深いものになっていきますね。

ユング派では扱わないけど・・・明晰夢

明晰夢とは、夢の中で「ああこれは夢だな」と夢で意識を保って活動する夢ですね。またはコントロールできる状態だそうです。

私は明晰夢みる力はほぼありませんね。はっきり夢だと分わかった夢は今まで2回。

夢のような楽園にエレベータで登っていけて、「あこれ夢だ」ってわかった。向こうにはガイドがいて「よく1人で来れたね！」って言われて嬉しくなった。ガイドが「よくがんばったねぇ」とねぎらってもくれてたのに、じゃあこちらへと入ったところがなんとトイレでした。夢でトイレは次元移動部屋って理解していたので「ええ帰りたくない！！！帰さないで！！！」って猛烈にアピールしたのに冷酷にも、地球に戻って起床してがっかりしたという夢でした。

もう一つは若くして亡くなったばかりの知り合いがでてきて、夢だなと思った。その人に対して大丈夫？という気持ちを送ったら、向こうがガバッとあちらに引っ張ろうとしたので、とてつもない恐怖を覚え、私は剣（をなぜか持っていていて）で断ち切った・・・という夢を見ました。生前は優しい人だったけど死者の国へ行った人は変わってしまうんだなと思った夢でした。超怖かった。