あなたのホロスコープの中に、「カイロン」という小惑星があります。惑星ほど語られることは少ないけれど、心理占星術の世界では魂の傷を示す、とても重要な天体です。
カイロンがどのサインに入っているかで、あなたが持って生まれた「傷の種類」傾向があると言われます。ただし「このサインにカイロンがあるからこういう傷つきを持ちやすい」ということではなく、「みんなが共通に持ってる傷つきのバリエーション」と考えたほうが良いと思います。なぜかというと、どのサインの傷つきも、みんなどこかで経験していると思うからです。
そしてそれらの傷は、向き合うことであなたらしい癒しの力や使命へと変容していきます。この記事では占星術的な意味とユング心理学から考える「キロン 傷つく癒し人」の元型について考えてみたいと思います。
カイロンとはどんな天体?
カイロンは1977年、パロマー天文台で発見された小惑星です。土星と天王星の間を回っているというのがポイントで、土星(見える・固定された世界)と天王星(見えないけれど影響する力の世界)の橋渡しをする存在です。目に見える現実と、目に見えない深層心理をつなぐカイロンはそういう天体です。
神話のカイロン〜傷ついたヒーラーの物語
ギリシア神話のカイロンは、ケンタウロス族の一人。頭が人間で下半身が馬の種族ですが、暴れん坊だった他のケンタウロスとは異なり、カイロンは非常に賢く心の優しい賢人でした。
薬草の知識で人々を癒し、アキレウスやアスクレピオスなど多くの英雄たちを育てた教育者でもあります。
でもカイロンの物語は、生まれた瞬間から傷ついていました。カイロンの母親はオケアノスの娘フィリュラ。父親は神々の王クロノス(土星)です。クロノスが馬の姿に変身してフィリュラのもとを訪れ、カイロンが生まれました。
生まれてきたカイロンは上半身が人間、下半身が馬という姿でした。その姿を見たフィリュラは激しく嘆き、「こんな子を産むくらいなら、人間でなくなりたい」と神々に祈り、菩提樹の木に変わってしまったと伝えられています。
母親に、存在そのものを拒絶された。それがカイロンの最初の傷です。自分は何も悪くない。ただそこに生まれてきただけなのに。理不尽に、存在を否定される傷。これがカイロンの神話の底に流れているテーマです。
それでもカイロンは、ペーリオン山の洞窟で育ち、医術・音楽・弓術・哲学を修め、多くの英雄の師となりました。母に捨てられた子が、誰よりも深く人を育て、癒す存在になりました。この逆説がカイロンの本質です。
そしてある日、育てたヘラクレスが放った毒矢が、誤ってカイロンに当たってしまいます。ケンタウロス族の争いに巻き込まれたのです。自分は何も悪くないのに、理不尽な傷を負う。最初の傷も、この傷も、どちらも「自分のせいではない」という共通点があります。
しかもカイロンは不死身だったため、死ぬこともできずに苦しみ続けました。他者は癒せるのに、自分自身の傷だけは癒せない。これが「傷ついたヒーラー」と呼ばれる理由です。
そしてこの傷は、私たち全員の心の中のどこかにある傷でもあります。
夢に現れる「傷つく癒し人」の元型
傷は、あまり見たくないものですよね。自分が惨めだったこと、悲しかったこと、ショックだったこと・・そういう苦い記憶を呼び起こすから。だから人はいつの間にか、傷ついていたこと自体をすっかり忘れて、現実の仕事や生活に没頭していきます。
カイロンは、どうしても心のどこかに追いやってしまう元型です。
でも無意識の奥に押しやられた「傷ついた存在」は、静かに、でも確かに訴え続けています。
体や心の不調。なぜかうまくいかない人間関係。繰り返す同じパターン。現実生活で起きるさまざまな問題・・・それらは、ずっと昔に忘れてしまった傷が「そろそろ見てもらえますか」と合図を送ってきているタイミングなのかもしれません。
「癒し」とは、誰かに受けるものではない
癒しというと、誰かからヒーリングを受けるイメージを持つ方も多いかもしれません。でもユング心理学では少し違う考え方をします。「誰かに癒してもらう」のではなく、自分の無意識の中にある癒し元型を回復させ、自己治癒能力を高めていくことを目指します。
私は夢分析を3年間受けたので、このことは体験として腑に落ちています。
最初は「ユング派の心理療法」というすごい技法があるのだと思っていました。でもだんだんわかってきたことがあります。心理療法家の心の中には、訓練によってさまざまな元型が意識的に使える状態で存在しています。その中でも「癒し人の元型」が活発に働いていると思われます。心理療法家が自分の「心」を提供して、無意識レベルで化学反応を起こしていくものなのだということです。
深層心理ではすべての人がつながっていますから、夢分析を受けている側にも、癒し元型が動き出すのです。
私の夢に現れた「ヒーラー」
実際に、私はこんな夢を何度か見ました。右腕をヒーラーがさすってくれたり、絆創膏を貼ってくれたりする夢が繰り返し現れました。また分析家の姿を借りた癒しの人も、右腕をそっとさすってくれました。夢見た時はすっかり忘れていたのですが、後から思い出しました。中学2年のとき、右腕は蜂に刺されたことがあるのです。夢は体に残る傷痛みを癒してくれたんだと思います。
私の中でも無意識のレベルで、ありがたいことに、癒し元型が動き出していたのだと思います。
傷がわからないと、ヒーリングできない
誰の心の中にも、ヒーラーは住んでいます。
でも、傷がどこにあるかわからないと、ヒーリングはできません。
傷があまりに大きいとき、無意識はショックを心から分離してしまいます。分離することで、生き残るための安全が保たれるからです。でも隠された傷は手当てもされないまま放置され、痛みを訴え続けます。でも傷を見るのが怖い・・・。
さらにカイロンの傷は、大切な特徴があります。それは自分のせいではないのに負った傷だということ。自分の経験というよりも家系の問題で傷ついた記憶。それがカイロンの示す傷でもあります。だからこそ、この傷はなかなか「自分で気づく」ことが難しいのです。あまりにも当たり前の痛みとして、体や心に無意識に染み込んでしまっているからです。自我はその傷に気づかないこのループの中で、原因のわからない不安や空虚感が生まれてくるのだと思います。
夢解きや箱庭表現セラピーがやっていることは、まずその傷を受け入れられるだけの、心の安心感を取り戻すことです。そのあとで、何が傷つきだったのかを、ゆっくり優しく見ていく。責めるのでも、掘り返すのでもなくただ、「そうか、あそこで傷ついていたんだね」と気づいてあげること。それが、あなたの中の眠っているヒーラーを、目覚めさせていく最初の一歩です。
占星術サインごとの傷のイメージ
カイロンがどのサインに入っているかで、あなたが持って生まれた「傷の種類」傾向があると言われます。ただし最初に書いた通り「みんなが共通に持ってる傷つきのバリエーション」と考えたほうが良いと思います。なぜかというと、どのサインの傷つきも、みんなどこかで経験していると思うからです。
カイロンと向き合う時はまずはご自分のホロスコープでカイロンのサインを確認してみてください。(無料で調べられるサイトもあります)それで自分の出生のカイロンの意味から過去こんなことはあったかな?と思い出すとよいですね。さらに他のサインを見て自分にはこんなことがあっただろうか?と12種類思い起こすと良いと思います。自分の出生のサイン以外でも感じることはたくさんあると思います。
そして思い出したらそのままにしないで、その時のあなたに対してイメージ上で優しく語りかけたり背中をさすってあげたりしてください。それは「あなたがあなたのヒーラーになること」でもあるのです。
| サイン | 傷のテーマ |
|---|---|
| 牡羊座 | 存在すること・行動することへの傷 |
| 牡牛座 | 体や経済についての傷 |
| 双子座 | 言葉や兄弟の比較で傷ついた記憶 |
| 蟹座 | 帰る場所・母性とのつながりが持てなかった傷 |
| 獅子座 | 好きなことで輝くことを許されなかった傷 |
| 乙女座 | 完璧でないと愛されないという傷 |
| 天秤座 | 関係性の中でのさまざまな傷 |
| 蠍座 | 恐怖からの深い傷 |
| 射手座 | 信念信仰による傷 |
| 山羊座 | 感情を持つことを禁じられた傷 |
| 水瓶座 | 変わり者として排除された傷 |
| 魚座 | 境界線を持てなかった魂の傷 |
各サインの詳しい解説は、それぞれの記事でお伝えする予定です
カイロン発見のチャートから読む癒しの本質
1977年にカイロンが発見されたとき、そのチャートには何が刻まれていたのでしょうか。地上にこの日認識されたカイロンはこんな癒し力を持っているということをチャートから考えてみましょう。

強力な養育者
時間はastododatabankに掲載されていた時間を使っています。
アセンダントは射手座。カイロン一族をイメージしますね。アセンダントの支配星木星は7ハウスにあり対外的に鷹揚さや楽天性をもたらす存在であると言えるでしょう。
蟹座には月もありまさに養育者としての顔です。月も木星も蟹座のルーラーとエグザルテーションなのでとても強いですね。癒しというのは「つながりの回復」によって行われると思うのですが、蟹座の本当の良い母性との回帰をカイロンは強くもっているようですね。
強烈なエムシーと蟹座の比較
MCには天秤座。ドラゴンヘッドがくっついているためカイロンの活動は多くの人に持てはやされます。さらには冥王星も近くにあるため強迫的です。天秤座ですからパートナーシップや愛に関する死と再生に強く関わることになるでしょう。天秤座の死は「関係性の中で愛し愛されない」で生まれると思います。このテーマ、人間として成長する時にとても重要な要素、無関心でなく、心を注ぎ合う関係性です。それがないと人は精神的に死んでしまいます。
MCは蟹座の月は90度となっています。月の気持ちはそんなに多くなくていいから家族みたいな仲間の中で活動をやっていきたい欲求があります。しかしMCの天秤座はカイロンの社会活動は多くの人に注目を浴びて多くの人と関わるということです。冥王星のある天秤座16度(数え)はサビアンシンボルだと
「流されてしまった船着場」です。傷ついた船が安心できる陸地に接岸できないシンボルです。
月に対しても冥王星が小さなグループで満足することなくもっと多くの人と関われと言ってきているようです。月には蠍座の天王星が120度で、距離を持った関係性はもともと出来そうです。ルーラーの金星は天秤座で多くの人と関わることも好き。自分が大勢の人に知られることも価値としているようですね。
またICにはエリスがありますね。エリスについてはこちらに書きました。
エリスは不和の女神です。カイロン出生図のICは一族の争いといったところなのか!!IC支配星火星は一族の秘密の8ハウスに飛んでます。
太陽は蠍座
大事な太陽は蠍座であります。蠍座はいろいろな感情を受け止め変容させる力があると思います。苦しいことも悲しいことも深く体験していこうとします。その途中で深い闇も体験するでしょう。闇には簡単に切り分けられない人間の様々な情念が眠っています。そのどうしようもない切り分けらたくないエネルギーを味わいたい。でも人間は個々の存在になってしまい、一心同体になれるのは本当に愛する人と一瞬だけ。その濃厚な1瞬をおいかけていくのだと思います。
またこの図では父親を表す土星(=クロノス)はアスペクト少ないですね。でも天王星と72度です。カイロンは土星と天王星の間を回る星でしたよね。土星は見える固定された世界、天王星は電気や化学物質など見えないけれど影響ある力の世界です。見える世界や常識を壊すのが天王星なのです。この間の橋渡しをするのがカイロンですが、72度は創造の度数なので、その意識の橋渡しを工夫をしてやっていこうとします。これは強力ですね。
また牡牛座にカイロン(傷)です。これは足が馬で生まれた「持ってる体に対する傷」とも考えられます。カイロンは地に惑星がなくて一個だけ牡牛座に「カイロン」があるのです。これも生まれ持った身体を否定された「肉体の傷」の意味が強そうです。
カイロンは何を癒そうとしているのか
カイロンは、傷を認識したからこそ深く他者を理解できるという点にあります。
自分が痛みを知っているから、痛んでいる人の気持ちがわかる。自分が迷子になったことがあるから、迷子の人に寄り添える。母に捨てられた体験があるからこそ、誰かの孤独に深く寄り添える。傷を否定するのでなく、直視し、受け入れ、意味を見出していくこと。
夢解き・心理占星術・箱庭は、無意識の中に眠るカイロン的な傷に光を当てていく作業でもあります。神話のカイロンは最終的に、自らの不死性を手放すことで解放されました。それは「傷と和解し、傷を超えていく」という象徴ではないでしょうか。あなたの中の「傷つく癒し人」は、今どんな状態にいますか?
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