ソーラーアークとは?小澤征爾のホロスコープに見る人生の転機の読み方

追記:2024年2月に逝去されました。謹んでご冥福お祈りいたします。

世界的に有名な指揮者、小澤征爾氏のリーディングをしてみようと思います。

1957年頃から齋藤の紹介で群馬交響楽団を振りはじめ1958年、フランス政府給費留学生の試験を受けたが不合格となる。しかし、成城学園時代の同級生の父である水野成夫たちの援助で渡欧資金を調達。

1959年2月1日から、スクーター、ギターとともに貨物船で単身渡仏。このとき、小澤というアシスタントを失うことを恐れた齋藤からは渡欧について猛反対を受けたが、桐朋の父兄会や水野成夫たちの支援を得て、1200ドル(約45万円)の餞別を受けた。1959年パリ滞在中に第9回ブザンソン国際指揮者コンクール第1位。カラヤン指揮者コンクール第1位。指揮者のヘルベルト・フォン・カラヤンに師事。指揮者のシャルル・ミュンシュに師事。1961年ニューヨーク・フィルハーモニック副指揮者に就任。指揮者のレナード・バーンスタインに師事。

https://ja.wikipedia.org/wiki/小澤征爾

Youtubeのドキュメンタリーを見て、まだ若い頃の小澤氏が「僕はとてもラッキーで信じられないようなことが、2、3年の間で起こったんだ」という台詞がとても印象に残ったのですよね。

心理的な分析も含めながらどんな時期だったのか考えてみようと思います。

ソーラーアークと元型で読み解く

今回は「ソーラーアーク」という技法とトランジットの両方から、この幸運な時期を見ていこうと思います。ソーラーアークとは、出生図の全ての天体を、太陽が1年間に進む度数と同じだけ一緒に進行させていく技法です。トランジット(今現在の天体の動き)とは違い、もっとゆっくりと、その人の内側で育っていく変化を映し出すようなイメージです。

そしてもう一つ、心理占星術の視点も少し交えます。星が外側から影響を与えるというより、私たちの無意識にすでにあるテーマ(元型)が、天体の動きと呼応するタイミングで現実の出来事として現れる・・・そんなふうに捉える考え方です。難しく聞こえるかもしれませんが、実際の小澤氏のホロスコープを見ながらの方が分かりやすいと思うので、さっそく見ていきましょう。

土星〜老賢者の元型の元で修行する乙女座

まずは出生チャート。太陽は乙女座。現実を細かく丁寧に作り上げていくことがテーマ。実務などにも強いサインです。完璧を求めてあれこれ変化していき、何か教えてくれる人に対して忠実ということも、強く出そう。乙女座は永遠に完璧を求める職人みたいなところがあります。

太陽土星のくっきり180度です。生真面目な配置。太陽に対して土星という現実をシビアにチェックする爺さん星が対抗にあっていつも見張られています。年上の方に忠誠って意味ですね。土星はユング心理学でいう「老賢者」の元型にあたります。誰の心の中にもいる、教えを授けてくれる年長者のイメージです。それがいつも太陽=目標の向こう側にいて、そこに憧れて飛び込んでいく力が強いのだと思います。

だから指揮界の大御所(カラヤン!ミンシュ!バーンスタイン!)に薫陶を受けるわけですね。魚座アートの老賢者についていく乙女座の太陽は修行者というように見えます。小澤氏は若い頃は周囲に老賢者を投影していたかもしれませんが、晩年小澤氏自身が老賢者のような出立ちではなかったでしょうか・・・。

太陽海王星がゆるく合。夢多き人生です。アーティスト・無意識を扱う人は海王星が重要になりますね。海王星も土星と180度ですから大きな理想を確実に現実化していく力が強いです。
参考記事→海王星の影響を強く受ける人の生き方|フロイトのホロスコープから学ぶ魚座にある海王星

さらには太陽は天王星と120度で、新しいやり方を受け入れやすい太陽。壊されて再度構築、そして壊してまた構築・・みたいなサイクルがあるように思えます。

火のサインに惑星がない

そして、火のサインに天体がないことも見逃せないポイントです。火はユングタイプ論で「直観」だと思いますが、その直観に頼る傾向が、無意識になっていると考えても良いかもしれません。

普段は乙女座の細やかな分析力や慎重さによって、物事をコンパクトかつ確実に収めようとする意識が働きます。でも突然「いや結果はわからないけど、今やらないとまずい気がするんだよ」みたいなことを言いそうな。

心の内側には無い火を補おうとする衝動が無意識に渦巻いていますが、それを「意識化」しにくい状態なのではと感じます。慎重で丁寧なステップを重ねながらも、ある限界を超えた瞬間に、すべてを覆すような大胆さや過激な情熱を突発的に求め始めるそんなドラマチックな振れ幅を秘めているのかもしれません。

男性アーティストに大事なのは永遠の女性像アニマ

ユング心理学でアニマとは、無意識の中のある女性像です。男性の場合は特にこれが無意識になっていることが多いと言われます。アニマは「不合理さ・情動・気まぐれさ」みたいな象徴なので男性には馴染みが薄い。でもこの女性性に蓋をして男性特有の「合理性・知性・計画」ばっかりやっていると、魂は死んでしまい、ロボットのような人生になっていきがちです。男性がこのアニマを無視して「知的で合理的」を推し進めると、外側に理想の女性として現れてくることもあるでしょう。それほどまでに心の中のある理想の女性像というのは人の人生を導いていくのです。

占星術では金星がアニマの象徴でしょう。小沢氏は金星・海王星乙女座合。金星海王星は夢のようなキラキラとしたこの世でない美しいアニマがいるような配置。この世とは思えない美しいものを求めて音楽の世界を作っていったのが小澤氏だったのではないでしょうか。

火星木星は蠍座で合。情念や感情への集中とそれを増幅させる力があります。この火星木星は金星と60度。美の価値観を実際に手に入れようと動きますし、それを世界に広げようとしていきます。

ヨーロッパ出発のトランジット図

このような大きな決断は外惑星(冥王星・海王星・天王星)が関わっていることが多いと思います。そしてこの惑星は集合無意識と関わり合っています。ですからこの時代の人すべての無意識でこの元型が動き始めていた=天体の影響があったという意味になります。でもそれを受け取らなくて普通に生活していた人もいたでしょうし、小澤氏のように一世一代の大冒険となった人もいます。それまでの環境・経験・感情生活などで人それぞれで影響はかわってくるのです。

冥王星は限界突破準備

先ほどの考え方でいうと、冥王星という死と再生の根底のギリギリまでのエネルギーが無意識で活性化されているということで、それを人生のテーマである太陽が受け取る寸前です。冥王星は乙女座の3度でこれから乙女座のたくさんある出生の惑星に対して、限界突破させていく準備をしていますね。また土星にもオポジションを狙っていますから、芸術家としての形を今までのあり方を超えて形作ろうとしています。

天王星は内にこもった情念を解放

獅子座の天王星。この時期は全体的に「ユニークな個性で目立つ」時期なのですが、この人物の場合は拡大発展の木星、行動の火星に、刺激を与えています。蠍座の豊富だけど秘密な情感の高まりをこの天王星は穴をあけて放出させたいと動いているように見えます。

夢の海王星がさらなる理想を膨らませる

もともと夢みがちな人生テーマ太陽にさらに大きな夢を見させようとしているのか、60度に配置しています。海王星はビジョンによって人生を導いてくれます。このトランジット海王星は出生の天王星と180度で元々持っている反抗的なエネルギーを最大に強めたのかもしれません。

日本で扱かれた恩師と別れてでていくなんて・・・修行者で老賢者元型に忠誠を尽くしがちな出生の太陽ですから、天王星の分離のエネルギーが強まらないとなかなか難しかったのではないかと思うのです。

トランジットをソーラーアークでみてみる


この時はソーラーアークだと太陽がアリエスポイント(活動宮1度)に入った時期でもあります。内面的には「今までためていたものが表出した時期」となりますね。「花が咲く」時期だとも言われます。

ソーラーアーク太陽は天秤座に。ソーラーアーク土星は少し遅れて牡羊座に。活動的になっていき、それに伴ってたくさんの人との交流が増えていく時期です。このタイミングがラッキーな時期だったということになりますね。ただしこのアリエスポイントの通過は「開花」なのでそれまでの仕込みは大事だと思いますよ。

またソーラーアーク火星木星は射手座にあります。海外・高等教育などですが乙女座の太陽海王星に対してスクエア。ということは、射手座の「旅に出でよ!」の影響を受けている真っ最中ということになります。なのでスクーターとギターとでヨーロッパに向ったのでしょう。

ソーラーアークで「外にでていこう」という気持ちになって実際「行動」したからこそ、大きな舞台で認められたのです。行動するって一番大事なことですよね。

栄光のあとの苦い事件

1961年にNHK交響楽団(N響)の指揮者に招かれ指揮活動を開始するが、感情的な軋轢のためN響からボイコットを受ける。小澤はたった一人で指揮台に立つという苦い経験をさせられ、指揮者を辞任(これはN響事件、小澤事件、N響小澤事件などと呼ばれる=後述)。このため日本では音楽活動をしないと決め、渡米した。その後、NHK交響楽団とは32年の歳月を経て1995年1月に共演を果たしている。

こんなことがあったそうなのでございます。

1962年12月定期演奏会がこの騒動で中止された頃のトランジットです。

トランジット天王星が太陽になりつつある時です。またカイロンは土星と合・太陽と180度。トランジット天王星と180度。

海外で成功を掴み取った若者に対する嫉妬から、調子に乗りすぎた無礼な若造というダーティなイメージが作られて・・・・

http://www.tapthepop.net/story/52982

人生の大きな変化・番狂わせになるかもしれない衝撃が天王星の影響です。

小沢さんの場合出生は太陽土星が180度でもありますから、今まで大人のいうことを聞いてきたのに、大人のいうこと( N響のいうこと)が聞けなくなってしまっている。今までの自分にあったルールを壊したのが天王星と言えます。それは海外にでて成長したということもあるでしょう。もともと天王星120度だし、古い世界だけでは満足いかない方だったのではないかなと感じます。

さらには傷と癒しのカイロンが魚座の6度にあります。カイロンは傷つきの経験ももたらします。カイロンは太陽とオポジション、土星と合。自分の今までの「厳しいけれども確実に人生を進め権威になっていく」やり方を否定され、周囲から除け者になってしまった。これは最も痛みある経験だったと思います。

この事件によって日本では活動できず、海外での活動を展開させていくことになったそうです。この衝撃と傷つきの経験は辛かったとは思いますが、さらにプロフェッショナルな(乙女座)指揮者として修行につながって

その時は痛みを伴う衝撃だけど、その時の天王星の一撃が「世界のオザワ」にしたのですね。

あなたも自分の変革時期を知ってみませんか

トランジットは「外側からやってきた出来事のきっかけ」に見えますが、実際に動いていたのは小澤氏の内側にずっとあった元型的な物語だったのだと思います。老賢者に忠誠を尽くす乙女座の太陽、無い火を求め続ける無意識、美しいアニマ像を追いかける金星海王星・・これらはすべて生まれた瞬間から彼の中にあったテーマです。天王星やソーラーアークは、その内なる物語が「今、動き出す時だ」と告げるタイミングを教えてくれただけで、実際に旅立つ勇気を出し、老賢者と対立し、傷つきながらも進み続けたのは小澤氏自身の選択でした。

星は「いつ」を示してくれますが、「何が起きるか」の物語はすでに私たちの中にあります。あなたの中にも、まだ気づいていない老賢者やアニマ、埋もれた元素への渇望があるかもしれません。トランジットが強く動くタイミングは、その内なる物語に光が当たる合図です。あなたも自分の中の元型に耳を澄ませて、変革の時期を見つけてみませんか。

あなたの人生の変革時期を知りたい方は、個人セッションでお待ちしています。



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