蟹座山羊座の180度 母として生きるか、キャリアを作っていくか|心理占星術で読むフリーダ・カーロ

1、私の中のもう一人の私を示すホロスコープチャート

フリーダ・カーロ。大事故にあいながらも絵を独学で学び、女性シュルレアリストとして世界に名を刻んだ画家です。痛みと生命力が同居する彼女の作品は、見る人の胸に深く刺さります。痛々しいほどに赤裸々な自画像は、彼女が「自己の内側を見つめ続けた」証でもあります。

特に「二人のフリーダ」は配偶者のディエゴ・リベラと離婚した後に書かれた絵です。一枚の絵に、ふたりのフリーダが並んで座っています。

右側には、メキシコの民族衣装をまとったフリーダ。手には少年時代のディエゴの写真を収めた小さな護符を握りしめています。左側には、白いヴィクトリア朝の花嫁衣装のようなドレスをまとったフリーダ。心臓には穴が開き、血は乾き、破れた血管を自らの手で鉗子を使い必死に止めようとしています。

ふたつの「私」は、対立しながらも同じ血管で結ばれ、互いを生かし合っています。心理占星術の視点からフリーダのホロスコープを読むと、この二人の自分が心の中にいたのだということがわかります。「大地に支えられながら母親のように誰かを育てたい理想」その一方で「社会活動での成果あげ結果を出したい戦う力」の鋭い葛藤が浮かび上がってきます。

言い換えれば「母として妻として生きるか」と「仕事でキャリアを形成するか」の葛藤です。

wikiより
経歴

コヨアカンの出身。ドイツ系 ユダヤ人移民でルーマニア・オラデア出身の写真技師の父・ヴィルヘルム(メキシコ移住後は対応するスペイン語名のギジェルモに改名)とメキシコ先住 民の血を引く母・マティルデの間に生まれた。6歳の時にポリオに罹患して右足が不自由になる。また二分脊椎症を患っていた。更に1925年9 月17日、乗っていたバスが路面電車と衝突し、肩の脱臼、肋骨・鎖骨・背骨・骨盤の骨折、右足の粉砕骨折など瀕死の重傷を負った。

入院中に 絵を独学で学び、ディエゴ・リベラにその才能を認められ、1929年8月21日にリベラと結婚。しかしリベラとフリーダ双方の浮気(フリーダはバイセク シュアルであった)や、バス事故の後遺症に伴う流産などが重なって1939年に離婚するが翌年復縁し、以降は怪我の後遺症に苦しみながら創作活動を 行う。ヨーロッパ的な感性にインスピレーションを得、知的かつ特徴的な独自のシュルレアリスムは、フランスのシュルレアリストに高く評価された。

メ キシコで最も有名な画家の1人で、特にイサム・ノグチやレフ・トロツキーとの不倫など、その奔放な恋愛遍歴は、メキシコやラテンアメリカの女性の理想像の 1つとされ、何度か映画化されている。メキシコ共産党員でもあり、居室にヨシフ・スターリンの肖像を掲げて暮らしていた。

1953 年、右脚を切断した。

1954年7月13日、肺塞栓症で逝去。47歳没。コヨアカンにある彼女の生家・通称「青の家」(La Casa Azul)は、現在「フリーダ・カーロ博物館」となっている。

アストロデータ バンク

太陽・海王星コンジャンクション 溶け合う自己と理想

フリーダカーロは1907年7月6日生まれ。

太陽は蟹座の14度。

太陽は蟹座なので家族やその親密につくっていく関係性が大事です。母親そのものの「養育」を示します。子供や生み出したものを大事に育てていくという意味になるでしょう。

心理占星術的には、太陽は「私はどう在りたいか」という意識の核です。彼女にとって、その核は「守り、育てること」でしょう。

太陽と海王星がほぼ同度で合(コンジャンクション)しています。蟹座の大地に根ざす母として生きる理想があります。この海王星は死の淵のような魚座8ハウスカスプからやってきています。インスピレーションとビジョンはとめどもなく彼女の人生の理想に注ぎ込まれた。自己と他者、生と死の境界があいまいになりやすい。若い頃の事故によってフリーダはベッドに寝たきりになってしまいますが、これを不憫と思った親が天蓋に鏡をつけ、自分の絵を描き始めたそうです。鏡に映った自分といつもフリーダは対話し続けてきたのですね。

家族というグループは大きくしていくと民族になります。彼女はメキシコの民族を代表する芸術家として有名です。とてもカラフルで力強い絵を描きます。メキシコのお土産を見るとカラフルな色のものがとても多いですがあの強烈な色彩はフリーダの絵画にもみられますよね。強烈な色彩は強烈な太陽の土地で生まれる。生きるエネルギーに満ふれた世界。こんな明るくパワーある世界の中で母として家族をつくっていくことが理想でありテーマでもあったでしょう。

月は牡牛座──大地に根ざした美と感覚の女神

フリーダが選んだ表現手段が絵であったのは、とても月・牡牛座的です。概念ではなく、身体と手で直接世界を刻み込む行為。メキシコの土の色、花、生々しい肉体、それらはすべて「牡牛座の月が安心できる素材」です。絵を描くことで自分の肉体感覚を探っていたのではないでしょうか。

太陽(蟹座)と月(牡牛座)はミューチュアルレセプション(相互受容)の関係。お互いが相手の支配星のサインにいるため、ふたつの惑星が本来の力を発揮しやすくなります。これは「感情と自己表現が深く結びついていた」ことを示し、彼女の芸術の豊かさの源でもあります。

アセンダント獅子座・MC牡牛座 「見せること」が使命

アセンダント(上昇点)は獅子座。これは「世界の中で自分はどのように存在するか』です。

獅子座のアセンは、何かとりかかるときに劇的な表現をしたり目立つこと、変わっていることへ行動を起こしやすい。または世界に対して堂々と王様のような態度をとり世界はドラマチックでその中にいる主人公の私!という感覚がある。舞台の上にいることで本来の自分が動き出します。フリーダの凛とした佇まい、存在感ある顔立ち。あの強烈な自画像の見せ方は、まさに獅子座アセンの雰囲気です。しかしそれは作られたものではなく、「見せることで自分を確かめる」という内的な必要性から来ているのかもしれません。

MCは牡牛座。神から与えられた自分の役割・社会的な目標、が芸術と美を通じたものであることが示されています。月がMCの近くにあることは、自分の感情や身体の体験を社会へ届けることが天職であることを強く示しています。

金星冥王星コンジャンクション、土星スクエア〜奪われ縛られた女性性の深淵 

金星と冥王星の合(双子座)、そこに魚座の土星がスクエア(90度)になっています。心理占星術において金星は「喜び・美しさ・女性性・芸術性」を表します。冥王星は「変容・死と再生・影の支配者」。冥王星は闇の帝王です。恐怖や不安感をもたらすエネルギー。ギリシア神話で冥界の王ハデスはデメテルの娘ペルセポネを奪いました。

この金星と冥王星が重なるとき、愛の喜びは単純ではなくなります。愛することは命をかけた変容であり、時に死のような深刻な体験になる。

冥王星は4ハウスから来ています。先祖から受け継いだ血の業、引きちぎれない魂の絆。フリーダのメキシコ先住民の血、大地と生死に根ざした文化的背景が、この冥王星に刻まれています。若い女性の美しさの裏側に、代々の「深い業(カルマ)」がついてくる。それが金星冥王星。
そこに土星が90度でスクエアをかけます。土星は「制限・構造・責任」。魚座の土星は弱者への献身と、自己犠牲の恐れを持ちながら、その金星の喜びに制限するようにに働きます。

フリーダが生涯、身体を支えるコルセットを身につけ続けなければならなかった事実も、同じ構造の象徴です。濃い女性性(金星冥王星)が、文字通り「形」で縛られていた(土星)のです。

しかし心理占星術的に見れば、この制限があったからこそ、内側のエネルギーが絵という出口を見つけた。土星のスクエアは試練であると同時に、「形にする力」でもあるのです。その闇の不安や恐怖を形にする(土星)という作業が、彼女のアートの方向なのだと思われます。苦しい感じがありますよね。彼女は自己で痛めつけられた死と直面した体を、様々に描いています。とても痛々しいものです。でも彼女の絵の凄みになっていきます。冥王星は隠れた深い情動も表し、彼女の「女性としての叫び」が今を生きる私たちにも訴えてくるからこそ、こんなにも長く彼女の絵が愛されているのだと思います。

蟹座と山羊座オポジション〜母親とキャリアの葛藤

蟹座山羊座の間のオポジションがビッチリ見えてきますよね。この二つがどんどん過激に強くなっていくのがオポジションですね。惑星もかなりタイトなコンジャンクションで緊張し切っています。

蟹座側(11ハウス) → 家族、感情的なつながり、安心、夢と理想(太陽・海王星)
山羊座側(5ハウス) → 革命、改革、社会変革、鋭い怒りと行動(火星・天王星)

フリーダはこの二極が「社会で活動する強き女性としての生き方」と「母として家族をつくる女性」の葛藤で、これが「二人のフリーダ」なのではないかと感じてます。右側は民族衣装を着て愛する夫の写真が入ったロケットを持つ蟹座の強いフリーダ。太陽・海王星・木星で爆発的な「お世話したい」エネルギーがあります。

血を流すフリーダは、誰にも助けを求めていません。傷口を、自分の手で、鉗子を使って止めようとしています。涙を見せず、弱さを見せず、道具を使って粛々と処理する。天王星は感情から距離を置かせ、火星は外科手術・血の象徴。二つが合わさると、痛みを飲み込んで、一人で機能し続けようとする硬質な強さが生まれます。

まtが結婚衣装を着て血を流すフリーダは、社会に認められるため、自分を売り出す「ビジネス」をしていく自分だったのでははいでしょうか。活発に人と会う積極性。

ディエゴを愛したい、愛されたい、穏やかな家庭をつくりたい蟹座のフリーダと、社会的に画家として認められたい山羊座のフリーダ。山羊座には火星天王星ですから、とても意欲がありますし結果も残せてしまいます。でも画家として認められると愛してほしい旦那からは画業において嫉妬されてしまう。そんなのいや、自分は彼の妻としてあればいいんだわ・・・母親になって家族を作ればいい・・と思っていたのに子供が産めない体になってしまったじゃないの!では私の生み出す力どこに出せばいいの・・・??

そんなぐるぐるした葛藤が「二人のフリーダ」なのではないかと思います。

個性化のプロセスとしての芸術の創造

ユング心理学では、人生の目的を影(シャドウ)を含む自己全体を意識化していくプロセスを大事にしそれを「個性化」と言います。

二人のフリーダも、その影にあるものを引き出し描いた作品だと言えるでしょう。その影は今を生きる女性にも響く元型的な動きなのだと思います。元型の働きは永遠です。今もまだ私たちに強烈にメッセージを放っています。


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