タロットで「物語」を紡ぎ「人生」を動かす |アクティブイマジネーションと元型的物語

タロットをどんどん読めるようになるということ。それは、まさに「お話を作る力」つまり「物語を紡ぐ創造性」に他なりません。紙芝居のように、頭の中に浮かんだ断片を繋ぎ合わせて一つの流れを作り出す作業です。

ユング心理学では、人間が語り継いできた神話や昔話の中に「元型的物語」があると考えます。英雄の旅、死と再生、影との対決、アニマ・アニムスとの出会い。これらは人類が共通して持つ集合的無意識の物語パターンです。

タロットの22枚は、まさにこの元型的物語の地図です。愚者が旅に出て、様々な元型と出会い、世界で完結する。

だからタロットで物語を作る時、それは単なる創作ではなく、人類共通の深い物語のパターンに自分の今の状況を重ねていく作業でもあります。

1、子供の頃はみんな天才だったお話作り

お話を作るという行為は、実は子供の頃、誰もが夢中になってやっていたのではないでしょうか?

  • 女の子がお人形遊び(リカちゃんやシルバニア)に熱中し、壮大なドラマを脳内で繰り広げる。私もやってたよ!
  • 男の子がレゴやマシンもので、自分だけの自由な世界やルールを作り上げて没入する。

これらはすべて、まったく自由自在な「イメージの世界」を構築する作業であり、私たちは生まれながらにしてこの力を持っています。タロットリーディングは、この眠っている創造性を呼び覚まし、鍛え直す最高のトレーニングなのです。まったく自由自在のイメージの世界。みんな持っている力です。

2、ユング心理学のアクティブイマジネーションと物語

ユング心理学に「アクティブイマジネーション(能動的想像法)」という技法があります。目を閉じてイメージを浮かべ、そのイメージの中の登場人物と意識的に対話していく方法です。私も3年ほど夢分析を受けましたが、その過程で続けたことがあります。詳細はこちらに→物語の中で感じた本物の恐怖|ユング心理学アクティブ・イマジネーション体験談

タロットカードで物語をつくる作業はこのアクティブイマジネーションととても近いプロセスだと感じます。タロットを読む時に、言葉で暗記したものだけでなく、カードの絵の中の人物に語りかける。

「あなたは今何を感じているの?」「次にどこへ行くの?」

そう問いかけてみると、イメージの中でカードの人物がまるで生きているように答えを返してくることがあります。これはあなたの無意識が、カードというイメージを通して語りかけてきているのです。

アクティブイマジネーションは、無意識とボールを打ち合う作業なのですが、タロットの物語作りは、
まさにその「ボールの打ち合い」なのです。

3、タロットを使った物語を作ろう

大塚英志さんの『物語の体操』に、物語を作る工程の核心として「解体と再構成」がある、と述べられています。この「解体と再構成」は、タロットリーディングのプロセスと驚くほど一致します。

この本の中でもっともタロットリーディングぽいなと感じたのが「解体と再構成」がお話を作る工程にあるというのです。p23

「解体と再構成」は想像力の発達という内田伸子さんの本の内容から出されていました。解体と再構成は子供の頃発達する想像や創造と深く関係あるのではないかと感じました。

解体というのは見たり聞いたりした経験、印象や感情、出来事。解体というのはバラバラな断片ですね。それを並べ替え意味づけをするということでお話が生まれてくる。

4:「解体」〜タロットカードが持つ断片的な情報

私たちが日常で経験する印象、感情、出来事はバラバラの「断片」として記憶されます。タロットカードの一枚一枚は、この「解体された知の体系」であると捉えることができます。例:「愚者」=始まり無邪気さ旅立ち無計画(行動の断片)この解体されたものがタロットの1枚1枚というように考えることもできるでしょう。

「知を伝えるもの」というものは
1:解体された存在であるカード
2:それから再構成された本

その2種類があると感じています。

私はカード好きですが、解体された知の体系を「私」が再統合できるのがとても面白いし好きなことだなぁと感じます。

5:解体された破片をどのように統一するか

解体されたものを統一化するのが「リーディング」なんですね!それは意味を統合する創造的プロセスです。

大塚さんの本では、「知恵」「意志」「勇気」などの断片カードを、以下のようなスプレッドに組み込むことで、物語のひな形を作ります。

  1. 主人公の現在 → 現在の状況(カードのキーワード)
  2. 主人公の近い未来 → 近い未来(カードのキーワード)
  3. 主人公の過去 → 問題の根源(カードのキーワード)
  4. 援助者 → 助けとなるもの/人物(カードのキーワード)
  5. 敵対者 → 乗り越えるべき課題/障壁(カードのキーワード)
  6. 結末 → 最終的な結果(カードのキーワード)

というような組み立てにおいて考えるということをしています・・・!タロット占いみたいで面白いですね。またそれらの分断された「解体されたもの」をどうつなげるかはダブルカードや連鎖読みの練習で会得していくのでこれは違う記事に書いていこうと思います。

6、タロットも人生を紡ぐストーリー

カード一枚一枚の単語・断片的な意味を超えて、カード同士が持つ力学や関係性を読み取ることで、より具体的で、血の通った「物語」へと昇華させることができます。タロットリーディングもそれと同じように生きていくお話を作ることそのものですね。

自分の人生をどうするのか?を半分タロットに助けてもらいながら、自分の意思を統合させて「答え」や「気づき」を見つけるのです。

タロットを読み鍛えて行くと、行き詰まった状況から様々な視点があることがわかってきます。自由な視点で物事が語れるようになります。

  • 隣り合うカード:隣接するカードの意味を「原因と結果」「行動と動機」「内面と外面」として捉え、物語の連鎖として語ります。
    • 例:「女教皇(内なる知恵)」と「力(柔らかな統御)」 → 「内なる直感を静かに信じ抜いたことが、結果的に周囲を優しくまとめ上げ、状況をコントロールする力に繋がる」
  • スプレッド全体:展開されたカードの色合い、人物の視線、進行方向などを観察し、それらが織りなす全体のトーンやエネルギーの流れを読み取ります。

この連鎖読みの訓練こそが、「解体された破片をどのように統一するか」を会得し、タロットを読む力を飛躍的に向上させます。

タロットの良いところは、その解決方法が、自分が想いもつかなかったひらめきからやってくるところです。タロットのカードを使うことで、新鮮な発見をいつも与えてくれます。
人生は変化の連続でもあります。人はいつでも「変化」したいそのために何をするのか?どうすればよいか?変化のためのお話なのだということを頭にいれておきましょう。

まとめ

なぜ物語を紡ぐことが人生を動かすのか。それはは意味ない断片が繋がった瞬間、新たな「意味」を生み出し、「こころが動く」体験になるからです。日々の繰り返しの灰色の世界が色鮮やかな世界に変わる行為になるからです。

タロットで物語を作ることは、自分の無意識に新しい物語を届けることでもあります。自我と無意識に対話によって人生はつくられていきます。

あなたはどんな物語の主人公でいたいですか。タロットはその問いに、いつも新鮮な答えを返してくれます。

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