タロット恋人たち〜ユング心理学「投影」で読むパートナーシップの真実

恋人たちを絵で理解する

男女の二人は「恋人」のようです。天使に見守られてこれから二人は楽しい関係に発展していくのでしょうか。結婚に結びつかなくても魂の出会いというのはどこでも生じてきます。その出会いによって喜びもそして悲しみももたらされる。

このカードは天使が見守っていますから、エゴを超えた大きな宇宙の動きによってそのパートナーが現れる。それは本当に偶然が重なって出会いになります。人と出会うことで人生が大きく変わる喜びがあります。

でも女性は天使を見て男性は女性を見つめています。二人の視点は混ざり合っていないのです。

恋に落ちるとき、あなたは何を見ているのか

出会った時「この人だ」と感じる瞬間があります。理屈ではなく、胸の奥から確信が湧いてくるような感覚。なぜあの人にこんなに惹かれるのか、自分でもうまく説明できない。

ユング心理学はこの現象に、明確な答えを持っています。あなたが見ているのは、相手ではなく自分自身の無意識です。これを投影と言います。

投影とは何か

投影とは、自分の内側にある感情・欲求・価値観・恐れを、無意識のうちに外の人物や状況に映し出す心の働きです。

映画館のスクリーンに例えるとわかりやすいかもしれません。スクリーンに映っているように見えるものは、実はプロジェクターから発射されている。スクリーン自体には何も描かれていない。

恋愛の初期に相手がやたらと輝いて見えるのは、相手が実際に輝いているのではなく、あなたの無意識が相手の上に理想を投影しているからです。

アニマ/アニムス〜内なる男性像・女性像

では、何が投影されているのか。ユングは、人間の無意識の中に異性的な側面が存在すると考えました。男性の中にある女性的な心の像を「アニマ」、女性の中にある男性的な心の像を「アニムス」と呼びます。恋愛における強烈な引力の正体は、多くの場合このアニマ/アニムスの投影です。

男性が女性に「この人しかいない」と感じるとき、彼は相手の女性に自分の内なるアニマを投影しています。相手が実際にどんな人物かより先に、アニマが相手の上に重なって見える。だから「なぜ好きなのか言葉にできない」のです。言葉にできないのは、それが意識ではなく無意識の動きだから。

ウェイト版恋人たちのカードで、男性が女性だけを見ていて、女性は天使の方を見上げているのはそういうことです。男性はアニマに引き寄せられ相手だけを見ている。女性は「この出会いの奥にある意味」を直感的に感じ取ろうとしている。

投影が剥がれるとき

そして投影はいつか必ず剥がれるということです。交際が深まり、一緒に生活し、相手の普通の部分が見えてくるにつれて、あれほど輝いていた相手が急に色褪せて見える瞬間がやってきます。「こんなはずじゃなかった」「結婚前と変わった」という言葉の裏には、たいていこの投影の剥落が起きています。

変わったのは相手ではありません。投影が剥がれて、スクリーンとしての相手がそのまま見え始めただけです。投影が剥がれた後に残るものが、本当の関係性です。ユング心理学はこの段階を「投影の引き戻し」と呼び、むしろここからが個性化プロセスにおける重要な作業だと考えます。

投影の引き戻し

恋の惹かれる気持ちだけなく「あの人のここが嫌い」という感情は、「自分の中に同じものがあって、それを認めたくない」という影の投影かもしれません。「あの人のここが羨ましい」は、「自分の中に眠っているその資質を、まだ自分のものとして生きていない」というサインかもしれない。

投影の引き戻しとは、相手に映し出していたものを「これは自分の中にあるものだ」と引き取る作業です。これは簡単ではありません。でも、これができたとき、パートナーシップは相手に自分を満たしてもらう関係から互いの全体性を育て合う関係へと質が変わります。

恋人たちのカードが「調和」を示すとき、それは相手と合わせることではなく、自分の中の分裂した部分が統合に向かう調和のことでもあるのです。

アダムとイブとも言われる恋人たち


恋人たちのカードにはアダムとイブが描かれています。神に食べることを禁じられていた知恵の実を、蛇にそそのかされたイブが食べ、アダムにも与えた。二人は自分たちが裸であることに気づき「恥」を感じ、イチジクの葉で身を隠した。そして楽園を追放された。

これを文字通りの「罪と罰」の話として読むのが伝統的な解釈です。でもこれ知恵の実を食べた瞬間とは、人間に「意識」が誕生したのだと思います。

それ以前の楽園とは、善悪も分離も対立も存在しない、すべてが溶け合った無意識の状態です。赤ちゃんが世界との境界を持たず、母親と一体化しているような状態と言ってもいい。そこには苦しみはないが、自分もない。

知恵の実を食べ、自分たちが裸であることに「気づいた」瞬間、これが自我の誕生です。気づくということは、観察する主体と観察される対象が分離することです。「私」と「世界」が切り離される瞬間。この分離こそが意識の本質であり、同時に孤独の始まりでもあります。

楽園追放とは罰ではなく、意識を持った人間が、意識を持つことの代償として支払わなければならない孤独と苦しみを示してます。

気持ちが揺れるのは当たり前

あなたと私が分離したおかげで、相手のことがわからない・・と感じることが多くなりました。

でもそこで考えたいのは世界の外側と調和することではないということです。本当は本当の自分と調和することが人間関係をよくする最善の道だと思います。

人間関係で感情が動くとき、それは自分の見えない「傷」が喚いている証拠なんですよね。外界の出来事と自分の持っている価値観の不和の波動を出しているという意味になります。

その傷はいつ感じたのだろう?って胸に手をあてて思い出してみる。何か満たされてない気づいていない「価値」があるのです。それがあるということに気づくだけでその解放は終わります。

ウェイト版のこのカード、恋人たちが見つめあっていないのは、そんな理由だと私は感じます。女性は投影から目をそむけ、本当はどこと調和しなくてはいけないのか?感じているのだと思います。

恋人たちのメッセージ

自分にぴったりあった相手が現れる
相手に合わせて自分を変化させる
対人関係がスムーズにいく
人間関係を広げなさい
多くの人と会いなさい
相手のことを考えなさい
コミュニケーションをしっかり取りなさい
人間関係の豊かさを楽しむ
良い環境に恵まれる
愛情に満ち足りた関係
思いやりある関係

恋人たち逆位置のメッセージ

不調和の人間関係
自分ばかり我慢している
相手に振り回される
意思が弱い
コミュニケーションできない
会えばムカつく様子
わかってもらえない気持ち
言っても無駄だという気持ち
相手の顔色を見すぎている
周囲と調和できず浮いている
周囲の空気が読めない
相手の空気が読めない
愛してもらえない悲しさ
嫌いな人から愛される
人をコントロールする(悪魔までは行かないけれど似ている)
人を支配する(悪魔までは行かないけれど似ている)
人を自由を許さない(悪魔までは行かないけれど似ている)
連絡がこないことにイライラする
人間関係の不安
離れていくことへの不安
浮気の不安
相手への忠実さがない
冷えた夫婦関係

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