タロット月の意味〜グレートマザー元型・ コンプレックス・無意識の深淵をユング心理学で読む

タロット 月の意味と世界

タロットウェイト版月

夜空に大きな月が登っています。とても深く考えているような顔です。何か悩みがあるのでしょうか?

月は地球に最も近い場所で回っています。海の満ち引きを作っていますね。大きな水を動かします。私たちの体もかなりな部分が水でできていますね。ですから感情や体にも大きく作用しています。

二つの建物の間に道が通っています。この建物はどこかで見ました。そう・・・死神です。右真ん中太陽があるところに同じ建物が立っています。私はこのことから月と死神は同じ世界を描いていると思っています。

タロットウェイト版死神

月のカードに戻りましょう。

手前には池がありザリガニが這い上がっています。ザリガニは「蟹」なのかなと思うこともあります。(蟹=蟹座=占星術の支配星=月なのでつながりがあるかも)ザリガニは感情である池からそろりそろりと上がってきています。得体の知れない不気味なエネルギーの象徴でもあります。不安な気持ちになりますよね。さて、カードには犬(ジャッカルという説も)が2頭、月に向かって遠吠えしています。犬のいるところは危ない場所で門番として犬が吠えています。また犬たちは見えない存在に向かって警戒をしているのだとも思います。先ほどの死神のつながりからも、月のカードは「三途の川」みたいな場所。だから門番である犬が境界線を見張っている。向こうから何かが勝手にやってこないように。

月は向こうの世界との接点

向こうというのは死の世界・無意識の世界とも言えるでしょう。

昼間、私たちは意識の世界で生きています。論理・言語・理性・社会的な役割。これが「太陽の世界」です。太陽が陽の世界だとすると月は陰の世界です。太陽であるエゴが消えていく世界、それは毎晩私たちが体験する「眠りの世界」でもあります。暗く蠢く裏側の世界とも言えるでしょう。夜、眠りにつく時、意識の監視が緩みます。無意識の扉が開いて、昼間は見えなかったものが夢というかたちで浮かび上がってくる。その中には秘密やタブーなども出てくるでしょう。

月のカードはまさにこの「意識と無意識の境界線」に立っているカードです。

ザリガニが池から這い上がってくる池は感情・無意識の象徴です。普段は水面下に沈んでいたものが、
月の光の下でそろりそろりと這い上がってくる。それは必ずしも怖いものではありません。あなたの無意識が、今まで光の当たらなかった部分を「見てほしい」と語りかけているサインなのです。


ムーンショット計画

国が「ムーンショット計画」というのを立てているのを知っていますか?

国立研究開発法人科学技術振興機構 ムーンショット型研究開発事業のHP見るとこんな目標が。

ムーンショット目標12050年までに、人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現

https://www.jst.go.jp/moonshot/program/goal1/index.html

このページよればサイバネティックアバターが国民に配られ、そのロボットがさまざまな場所にいったり、サイバー空間でリアル経験したり・・というのが国主導で始まっています。おいおいちょっとこれすごくないですか!占星術的には冥王星水瓶座が2024〜2043年ぐらいの時期なのでその時期に思い切り人間は地上の動物としての生き物からかけ離れていくみたいですね・・・。

ムーンショット。月を射る計画。月は人間の基礎的な感情や育成する心です。ユング心理学の視点から見ると、 このムーンショット計画は とても示唆的なテーマを持っています。 身体・脳・空間・時間の制約から 解放されるということは、 月が象徴する「感情・肉体・記憶」から 切り離されていくことでもあります。

肉体という制約を失うことは、 月が象徴する感情や記憶の根拠を失っていくことでもある。 この地球にチューニングできなくなる怖さ・・・安心の基盤を失う怖さです。 

月は狂気をはらむ

月は満ち欠けを起こし、私たちの「感情」をゆさぶる。満月の時は事故が多いとか、赤ちゃんの誕生が多いとかいう話もある。また満月の時に狼男に変身するという話もあった。月は「狂気」の部分もありますが、この「狂」も人間のナチュラルさではないかとも思います。

大昔、原始社会ではお祭りとかイベントで「狂=神がかり」みたいなことを、みんなしていたと思います。自分のエゴが取れて集団的熱狂に参加する。それはとても開放にも繋がっていたでしょう。その宴が終わった時、現実に戻って来ればいいんだけど、そのままそっちの世界に残ってしまい帰って来れなくなると、いわゆる「狂った人」となってしまう。幻想の世界の住人となっていくのです。

月が象徴する元型〜グレートマザーの暗黒面

ユング心理学にグレートマザー(太母)という元型があります。すべてを生み出し、すべてを呑み込む「母なるもの」の元型です。グレートマザーには光の側面と影の側面があります。

光の側面は「育む・保護する・感情的なつながり」。女帝のカードがこの側面を象徴しています。影の側面は「呑み込む・溺れさせる・境界を失わせる」。これが月のカードが象徴するものです。

満月の夜に狼男に変身するという神話は、グレートマザーの暗黒面に呑み込まれていく人間の姿の象徴にも感じます。そのままあちらの世界に残ってしまい帰って来れなくなる・・・、これはユング心理学で言う無意識への溶解の状態です。自我が月の引力に引っ張られすぎて、現実との接点を失っていく。

月のカードが出た時、「今あなたはどちらの月にいますか?」と問いかけてみてください。無意識の世界を探索しながらちゃんと現実に戻ってこられる月か。それとも引き込まれすぎて境界が溶けていく月か。

月は記憶を表す

また西洋占星術だと月は感情や肉体、幼少期の様子、母親との関係を見ます。その人の奥にある感情の記憶庫です。喜びや悲しみ、楽しさ。喪失感、トラウマのような出来事。そのような様々な感情がこの月に格納されています。ユング心理学でも0歳から7歳までは潜在意識で生きていると言われていて、感情的に色づけられた体験が良いものも悪いものも深く刻まれ、コンプレックス(感情に彩られた複合体)の核になっていきます。その頃経験したことは深く刻まれます。コンプレックスは、自分の意志とは無関係に動き出します。例えば、特定の言葉を聞いて急に激昂したり、頭が真っ白になったりするのは、コンプレックスが「スイッチオン」になり、一時的に自我を乗っ取ってしまうためです

このコンプレックスは普段は水面下に沈んでいます。でも特定の状況、特定の言葉、特定の人間関係に出会った時、ザリガニのようにそろりそろりと這い上がってきます。

「なぜかこの人のことが気になる」
「なぜかこの状況でこんなに感情が動く」
という時、コンプレックスが動いているサインかもしれません。

夢はこのコンプレックスが最も直接的に語りかけてくる場所です。月のカードが出た時、最近見た夢の中に何かヒントがないか探してみてください。また周りのタロットの様子でどんなものがコンプレックスになっているのか考えてみましょう。

タロット月のメッセージ

今はまだ霧の中にいる
道がはっきりしない
混乱している
混沌とした状態
整理がつかない
方向性を失う
目的の喪失
妄想の世界で遊ぶ
濡れ衣
原因がはっきりしないこと・病
見えない世界を大事にする
眠りのリズムを整える
世の中の裏側に目を向ける
秘密の出来事
秘密の恋愛や情事
霊能者
狂気 ボケてしまう


月の逆位置のメッセージ

道がはっきりしてくる
霧が晴れてくる
狂気から覚める
洗脳から覚める
明るい方向をめざす

まとめ

月のカードは「混乱・霧の中」というメッセージを持っていますが、それは「悪い状態」ではありません。意識の光が届かない場所に降りていく時間。コンプレックスが這い上がってくる時間。グレートマザーの深淵に触れる時間。それは個性化プロセスにとって欠かせない夜の旅です。

霧の中にいる時、無意識があなたに何かを語りかけようとしています。月のカードが出た時こそ、夢日記をつけてみてください。無意識との対話を始める絶好のタイミングです。

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